岩本美砂子『百合子とたか子 女性政治リーダーの運命』
読了。内容については、著者の書かれたこちらによくまとまってます。
土井さんの政策実現のパートで書かれていた、生活保護費の男女格差の廃止(1985年に実現)や、国籍法の父母両系制度への改正(1984年)などを読むと、日本の政治も本当にクオータ制を取り入れて、女性の政治家を真剣に増やしてほしい…と思わずにいられない。
本書の随所に出てくる、男性政治家の性差別的な発言や思考、人気どりとして前に出すけど内部では全然決定権を持たせないような態度に辟易としながら、それを打ち破っていくにはやっぱりまずクオータ制なんじゃないかなあ、と。
女性立法議員が41.6%でアジア第1位の台湾(日本は衆院参院合わせて14.3%)では、「比例代表選挙で獲得した議席のうち女性が占める割合を50%以下にしてはならない」というクオータ規定と、地方選挙でも25%の女性クオータ制があるそうです。
クオータ制によって議席を得た女性と、それによって得られなかった男性との資質を比較し、「女性が劣らないという研究成果を得て、説得的に評価されている」とあって、台湾進んでるなー。
※日本の政治分野の女性参画状況については、内閣府男女共同参画局の資料を参照。
小池さんは…ご自身のサイトに掲げている政策の「人が輝く東京」のところを、きちんと実現できるなら素晴らしいなと思いますけど…。ただ「待機児童ゼロ」や「ペット殺処分ゼロ」みたいに、東京都の定義を変えて数字が減ったように見せるような姑息なことをせずにお願いしたいところです…。
性別はどうあれ政治的な信条は人それぞれなのが当たり前だから、女性政治家に一枚岩になれとは思わないけど(無理だろうし)、最低限「後進のために」という部分では気持ちを一つにして、良き道を切り拓いて行ってほしいなあ。
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