4/27(月):Mehr Theatre Group / Amir Reza Koohestani『Timeloss』@KAMMER4
近年ミュンヘン・カンマーシュピーレでたびたび上演しているイランのMehr Theatre Group / Amir Reza Koohestani。
13年前に制作した、恋人同士による男女の会話劇『Dance on Glasses』。を、久しぶりに再会した男女が再び演じる『Timeloss』。
背景に『Dance on Glasses』の映像を流しながら、舞台上で稽古をしている風なのですが
直前に男性が語っていたセリフを女性が語ったり、演出家も入り混じった稽古のセリフが映像のセリフと同期したり、男性のセリフから浮かび上がるイラン社会での女性の抑圧が、演出家による抑圧と重なったり。
『Dance on Glasses』でなされた会話が、13年後の舞台上で語り手を幾度となく変え、その度に違う意味合いを帯びながら成立してしまうのが面白い。
イランの演劇作品に触れるの、地味に初めてかも。
4/28(火):チェルフィッチュ 『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』@KAMMER4
KAATでの公演記録映像の配信。チェルフィッチュは日本公演の時も英語字幕をつけることが多い(以前実際に劇場で見た時も英語字幕付きだった)けど、彼らのだらだらとした単語数多めの言い回しに対する翻訳英語のシンプルさを見るにつけ、「翻訳」という行為によってこぼれ落ちる母語のニュアンスを実感できて、すごく面白い。
(字幕には可読性という制限があるので、小説などはわりかしニュアンスに忠実に翻訳できるのかもだけど、それにしたって元々の言語文化の差異はあるし。)
4/29(水):「くものうえ⇅せかい演劇祭」からオマール・ポラスによる『虹のドレス』を見て、ポラスさんと宮城さんのトークを聞いて、もう一つ、クリスティアヌ・ジャタヒー監督『Utopia.doc』を。
※こちらから5/6まで視聴できます。
『Utopia.doc』はパリ、フランクフルト、サンパウロでなされた、世界各地からの移住者との会話の記録と、移住者の人生の物語に対する文学作家の返信パートなどで構成。
境界を超えることがたやすく、さらに超えた先でも親切にされることが多いヨーロッパ白人男性と、アフリカから難民として移住してきた男性との会話で、「どこに生まれたかで自動的に特権性が付帯されるのはおかしい」と白人男性側から触れ始めたとき、言ってることは正しいけれど素直に聞けず…。
その特権の生まれる構造が、ちょっとやそっとでは太刀打ちできないぐらい大きなものになってしまった今、特権を持たない者の前で「でも私はそれをおかしいと思っています」という正しさアピールをしてなんになるのか…。
夜はドキュメンタリー『パリ・オペラ座の「ザ・カブキ」ベジャールの残したもの』を拝見。東京バレエ団、こんな作品を持ってたのですねえ。
4/30(木):アクラム・カーン振付のEnglish National Ballet『Dust』
全編を5/1まで無料配信していて、そのあとに上のインタビューを見たのですが、インスピレーションが意外だったなー。へー。
5/1(金):人形劇団プーク『もりのへなそうる』(5/6まで公開)
人形劇団プークが始めた無料配信「STAY PUK」の第一弾。へなそうるのプリプリした動きとすっとぼけた雰囲気に、えらいホッコリ。ちびっこの笑い声はいいなあ〜。
ナショナル・シアター・ライブ『フランケンシュタイン』。
これも6日まで?公開なのかな?上の動画はベネディクト・カンバーバッチが怪物役のバージョン。す、凄かった…。冒頭は台詞なしで、でもめっちゃ引き込まれるのと、「わーこれ絶対劇場で見てたら痺れる!」って感じの、音楽&マシーンでどどーんな展開があるので、冒頭から15分くらいまでだけでもぜひ見てみてください。
舞台の仕掛け、格好良いなー。劇場で観れた人が羨ましい…!動画は昨日ジョニー・リー・ミラーが怪物のバージョンも公開されたので、見比べようと思います。(ナショナルシアターのYoutubeチャンネルはこちら)
5/2(土):「くものうえ⇅せかい演劇祭」から、オリヴィエ・ピィのグリム童話『愛が勝つおはなし~マレーヌ姫~』
上は予告編。(全編は5/6まで、こちらから見ることができます。)
とても美しい音楽劇で、「悪い時代や恐怖に愛は勝つ」という歌詞がしみるなあ。フランス語、好きだなあ。
リンク先スペシャルブログでの作品解説も必読!「約束としての言葉」をことごとく破壊する態度の人たちが政権のトップにいる現状が、ホント悲しくなりますよ…。
今夜は何を見ようかな。
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