土曜日は井戸探しのあと、17時からの岡崎藝術座『+51 アビアシオン,サンボルハ』を見にシアターZOOへ。
チェルフィッチュの岡田利規さんが「僕が持ち込んだきらいも多分にある、演劇は独自の身体性を持ち込んでナンボ、的なパラダイムを克服して、そこから抜け出ていた演劇だった。興奮。」と語る本作。
冒頭からめっちゃ集中してしまったのだけど、自分が一体何に面白さを感じてこんなに集中しているのかがわからず。
あの奇妙な感覚は新鮮だったなー。
「わたし」がペルーに着いてからは、「わたし」の思考の軌跡や、彼の目に映る人々や風景など、舞台上に立ち上がるものが一層鮮やかに。これ、すっごい面白かったです。
新潮に掲載されていた本作の戯曲も読んだけど、文字からイメージするのとは違う、地球の反対側の事象の息遣いというか、「立ち上がる」という表現がぴったりの何かがあの時間にはあったなと。
あとは、
「言葉のわからない故郷」と言う時の「故郷」ってなんだろう、とか、そんなことをぼんやりと考えつつ、
何よりぐっときたのは、
「汗を何万リットルも流した毛穴が
曲がった背中にひっついている
それからなんどもなんども切られた白い髪の毛、
染みついてしまった頭皮
人生のスケールというのは、
一個人の体の大きさと重なっているのかもしれない
体の可動域を超えて、世の中を見ることは
本当にはできないのではないか
そんなことを思い、自分の体にだってなにかが記憶されているはずだったのだが、
孫の彼には見つけられないままだった」(新潮掲載の戯曲から抜粋)
というシーン。(でも、これについてはあまり自分の中で言語化できていない。)
終演後のトークも、トーク終了後の神里さんとキーボーさんとの立ち話も、大変興味深かったです。
思わず「今の話は中高生に聞かせたいですね」と言ったら、神里さん、WSも多数実施されているそうで。札幌でも、中高生の演劇WSの講師、どうでしょう?
あとは、プリコグの松本さんともご挨拶できて良かったです。プリコグ制作の作品、また札幌に来ないかなー。
話変わり。
この日はなんせ井戸探しのあとだったので、疲労感半端なく。
開演前にZOOの隣のSMOOCH COFFEE STANDで一休みしたのですが、コーヒーと甘いクッキーと、店内に流れていたTHE MALLARD『Yes on Blood』を聴いているうちに、みるみる元気に。
岡崎藝術座目当ての演劇関係者が窓の外をぞくぞく通り過ぎるのを眺めながら、静かな高揚感を味わった次第です。
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