ミュンヘン・カンマーシュピーレ(市立劇場)が19日?から実施している、レパートリー作品の記録映像配信を、毎日楽しみに見ています。(コロナ対策で劇場をクローズしたため、1日1作品24時間限定で公開)
この劇場の芸術監督はマティアス・リリエンタールという方で、私が彼の名を知ったのは、2015年に衝撃を受けたアンジェリカ・リデル『地上に広がる大空』がきっかけ。
その時から「いつかミュンヘン・カンマーシュピーレで観劇したい」と思っていたので、今回記録映像ではありますが、レパートリーを見ることができて超 嬉 し い !!!
ということで、19日が岡田利規『NO SEX』。(※ミュンヘン・カンマーシュピーレから、2016年から2018年までの3シーズン連続でレパートリー作品の作・演出を委嘱された経緯と、マティアス・リリエンタールについての日本語記事もありますので、気になった方はこちらからどうぞ)
セックスに興味のない若者と、ラブホでのセックスの良さをうっとり語る清掃婦が、カラオケバーでラブソングを歌う作品。
言葉と音楽が感情に及ぼす影響を、真面目に分析し合う若者がヘンテコだった…。(そんな彼らは、中年のカラオケバー・オーナー曰く「”変”なのではなく、”新しい”」世代とな。)
英語字幕で理解が追っつかない部分もあったので、またどこかで見る機会があったらいいな。
20日は、Susanne Kennedy『三人姉妹』
過去、現在、未来と、リアルとデジタルがごっちゃに混じる作品で、これは…劇場で体感したい…!と思った作品。
わけわかんないものに触れると安心しますねー。私は「わからなさ」が好きだ!
21日はYael Ronen『#Genesis』
神話における創世記が、現代社会や私たち自身にどのような影響を及ぼしているか、みたいな話。(イザナミも出てきた。)
途中、江戸子守唄が歌われてびっくりしました。やたらと物悲しい響き。
今日22日はリミニ・プロトコル『不気味の谷』
これ、今年の11月にYCAMで上演されるのですね。
機械が人間的かどうかを判断する「チューリング・テスト」を提案したアラン・チューリングが、自身の同性愛を矯正するためにホルモン治療を受けて、その結果ひどい鬱になり自殺するエピソードや
(周囲から異常と見なされたチューリングは、晩年、不規則性、偏り、偶然が働く「生」を扱う生物学に専念していった)
劇場における観客のルールに則った振る舞いは、「プログラミング」や「そのように機能すること」と何が違うのか、という問いかけがあったり。
プログラミングされた舞台上のロボットを見ることと、プログラミングされた?役者を見ることとの違いとか、いろいろ考えてしまったなー。
記録映像の配信、今のところ29日までの予定がすでに掲載されているので、見るぞー。
パリ・シャイヨー劇場も、近年の上演作品の公演映像を無料公開していることを知ってのぞいてみたら、オハッド・ナハリン、トリシャ・ブラウン、勅使川原三郎、ダミアン・ジャレと超キラ星。
2015年にKAATで見て音楽共々痺れたバットシェバ舞踊団(オハッド・ナハリン)の『DECADANCE』や、2012年に彩の国さいたま芸術劇場で見て震えた『Sadeh 21』もラインナップに入っていて、あの時の感覚が思い出されるなあ。
それにしても。
ダンスは特にですが、映像で見ると無性に劇場で見たくなりますね…。うう…劇場が恋しい…涙。
とはいえ、せっかくの機会なので、山籠り中の贅沢なお楽しみとして享受します。
ふい〜
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