日曜日の2本目。演劇集団遊罠坊『逢ノ国』@BLOCH。
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覚えてないの?
言ったんだよ約束したんだよ
僕と
これは僕の小さなころの
小さな村であった
大きな僕の思い出話。(劇団ブログより)
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子どもの頃の思い出が淡々と語られる、温かみのあるお話。個人的には映像向きだなーと思う内容で、それはなぜかというと、
子ども(の頃)の世界の捉え方、原風景としての小さな学校や自然、秘密基地などのイメージは、やはり映像表現に分があるように感じるから。
それを演劇としてやるなら、いかに、目の前でそういったものを観客に想像させるか、あるいはキラキラとしたものを感じさせるか、なのかなと思うわけですが
最後の方に、主人公が汽車に揺られて村の駅に到着するあたりのシーンでは、そこが成功していたと思います。
とても味わいのある良い一瞬をこちらも感じることができて、この作品を思い浮かべたときには、そのシーンの感触が思い出される。
思うに、本作のような手触りの作品をつくろうと志向するなら、(そしてそれに一瞬でも成功しているなら、)「何かを伝えよう」という気持ちから一旦離れてみるのもいいのではないかと。
脚本に残る「これを伝えたい」という部分、を、思い切って書かなかったとしても、多分彼らなら余韻でそれを伝えることができると思うのです。
(そして、会場配布のパンフレットにも、書かない。)
それは何も心温まる話だけに限ったことではなく、ヒリヒリするような話だったとしても、ファンタジーだったとしても、何かいけそうな気がするのですよね。
というようなことを、思わせる公演でありました。
良い意味で「籠って」つくっている感じがするなあ、遊罠坊。
ふむ。
(編)
 
 

 

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