読んだ本。ソン・ウォンピョン『三十の反撃

社会から「いない人」をつくってしまう現実に対して、「黙ってたらそれが当たり前だと思われます。黙ってたら、それでいいものとして扱われるんです」と主人公の女性が訴える箇所にグッときました。

誰かにとっては簡単なことが、誰かにとってはすごく勇気のいることだったり、どうしようもない困難さを抱えていたり、1日1日をサバイブするだけで精一杯だったり

ままならないことはたくさんあるけれど、それでも、心の内を言葉にすることや、小さな行動を起こすことが、人を少しずつ変えていく様子を見ることができて、しみじみ良かったです。

個人的には、2015年以降の時間をかけて少しずつ自分を変えてきたプロセスが、いよいよ大詰めの段階に入った感があるタイミングだったから、「勇気をもつ」という点で力強かったなあ。

ソン・ウォンピョン、最新作の『他人の家』も読んでみたい。

(編)

 

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