人形劇関連の本をせっせと読んでおりました。
一冊目。エリザヴェータ・コーレンベルク『人形劇の歴史』(1990年発行)
人形劇の発生、宗教的な内容を持った人形劇、風刺人形劇、17世紀末〜20世紀初頭のヨーロッパの人形劇、東洋諸国の人形劇、現代の人形劇など。知らないことだらけで、もう一度読み直したい。
二冊目。加藤暁子『日本の人形劇 1867-2007』(2007年発行)
1866年に海を渡った大曲芸団のことから始まって、明治の人形芝居、1894年に来日した糸あやつり人形のダアク座、20年代に起こった若いアーティストたちによるモダンな新芸術としての人形劇、戦前から戦後にかけての人形劇(国が人形劇に注目し、戦争体制に協力すること前提で、初めて人形劇が「職業」になった)、50年代〜80年代にかけてのテレビへの進出、演出の時代、小劇場のオープン(ここにこぐま座が登場)、60年代以降の「人形劇から人形演劇へ」。
日本の人形劇史がぎゅっと詰まった一冊で、これまた知らないことだらけ。すごいなー。
もう一度じっくり読み直したい。
三冊目は少し趣向を変えて、菊地浩平『人形メディア学講義』
一気に読んでしまった。
着ぐるみ身体論が特に興味深かったのですが、その章の最後に載っていたスーパー・ササダンゴ・マシン氏との対談で、空気人形型レスラーのヨシヒコと飯伏幸太選手の試合に触れられていまして、
これは見入ってしまった…すごいな!個人的には、これも人形演劇なような気が。
あとはー
人形愛についての第5章で紹介されていた、『ラースと、その彼女』についての考察も面白かったです。
人形は主観と客観の中間領域に存在するものであり、「捨てる」「捨てない」に着目して語られる「人形との成熟した関係への移行」が、なるほどなー、と。
自分は子供の頃のぬいぐるみって全然記憶にないのだけど、むしろ大人になってからなぜかもらったクマのぬいぐるみが、ついそれで遊び過ぎてしまったせいもあり、もう絶対捨てられない気がする…。愛着…。
という感じで、いろいろ共感しながら読める一冊でした。人形、深い!
今年はいくつか人形劇のフェスティバルを見に行きたいので、もう少し人形劇関連の本を読み足したいところです。
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