先日公開制作をチラ見してきた、弦巻楽団#32「舞台に立つ」 わたしたちの街の『ジュリアス・シーザー』の、本番を見てきました。
↑写真は公開制作時の。
SCARTSコートで公開制作され、上演された本作。私は入口横の席に座っていたのですが、ドアもないので、静かなシーンではカフェからの音楽が遠くに聴こえてくる感じで。
そういった半分開かれた環境で、古典のよくできた台詞に耳を傾ける、とても新鮮な手触りの時間でした。街中の半広場的空間に、古典戯曲は合いますね。
そして、高橋喜代史さんの舞台美術は、この公演本番のための美術というより、公開で演劇がつくられていく、その営みが行われる舞台の美術という感じがしました。
※高橋さんと弦巻さんの対談はこちら。
公開制作時も若い方やご年配の方が見学していて、演劇がつくられていく様子をフラリと見に立ち寄れる(街中の)場というのはこれまで札幌になかったし、すごく豊かな試みだなあと。
また、初心者でも参加できる演劇研究講座の「舞台に立つ」シリーズと古典戯曲、街中での公開制作、という組み合わせもマッチしていたというか
たくさんの余白、隙間を、何百年も口にされてきた名台詞がしっかり支える構造があって、その構造が、演劇を街に開いていくときの鍵になっていたような気がします。
札幌「文化芸術交流」センターの公募企画として、これまでになかった場を生み出したという点では、一番の好企画なのではないでしょうか。(見逃した企画もあるので、あれですが。)
作品そのものの話をすると、弦巻楽団のサイトでは「この戯曲の、 主役は間違いなく名もなきローマ市民です。」とあるのだけど、主役…と呼ぶにふさわしい、市民による何らかの意思のぶつかり合いも見てみたかった気もしつつ
ブルータス、キャシアス、アントニーの言葉のぶつかり合いに比べて、名もなき市民は感情に流される群衆でしかない。という印象だったかなあ。
細かな部分で聞き落としているものも、あるかもしれないですね。(戯曲も読んでみたい)
ちなみに本公演は残りは以下の通りです。詳細はこちらをどうぞ。
30 日(土)14:00 / 18:00
31日 (日)14:00 / 18:00
4月1 日(月)15:00
いやー、演劇って、本当にいいもんですね。(水野晴郎)
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