先週は土日連続で、沢則行さんによる『OKHOTSK オホーツク -終わりの楽園』を見てきました。
土曜の夜に見て、帰宅後彼に公演の話をしたら「僕も見に行きたい!」となり、日曜日は二人で。
バロック音楽好きの彼にとっては、有名な曲を一挙に聴ける良い時間となったようです。(本文最後に曲目リストつけています。これどこで目にしたのだったかな。)
初演時に録音だった曲が演奏されていたりして、使用曲はほぼ生演奏。すごい。
ちなみに。
開演前、沢さんによるオホーツク文化の説明の中で、「当時の北海道は文化の坩堝だったのでは」ということを話されていたのですね。
で、本作。
5~12世紀頃、北海道のオホーツク海沿岸に存在したと言われるオホーツク人を題材に、
14世紀後半から観阿弥・世阿弥親子によって磨き上げられた「能」のエッセンスを取り入れつつ
17世紀〜18世紀の江戸時代に栄えた人形浄瑠璃の「三人遣い」も用い、
音楽は、17〜18世紀のヨーロッパにおける音楽を指すバロック音楽が演奏され、
これらの全てを、1960年代にチェコで誕生した「フィギュア・シアター」と呼ばれるスタイルを用いて一つの作品にまとめたものを、
今、北海道の札幌で目にしている。
というのが、面白いなあと。(※上に挙げた年代はざっくりとした年代ということで)
『OKHOTSK オホーツク -終わりの楽園』自体が、文化の坩堝なんだよな。
そんな作品を創れてしまう札幌という街は、素敵だなあと思います。
あと本作は、なぜか見ている時に多幸感が訪れる。私は本当に、心底、この60分間が好きであります。
ギヨームも「素晴らしかったね」と帰り道話していて、”彼の「素晴らしい」は初めて聞いたなー”と内心思いつつ。
全くもって良い土日でした。
ふう。
★演奏曲
Jacques-Martin Hotteterre(1674-1763): Le Plaintiff
オットテール:嘆く女

Jean-Philippe Rameau (1683-1764) : Les Tendres Plaintes (Rondeau)
ラモー:やさしい訴え
★この曲は最後の方で再度演奏されるのですが、あのシーンでこれは反則というか、全員泣くのではなかろうか…

Marin Marais (1656-1728) : Suitte D’Un Gout Etranger – Le Badinage
マレ:戯れ

*使用音源 Suitte D’Un Gout Etranger <Jordi Savall, Ton Koopman, Hopkinson Smith>
Anonymous: The Division Flute (1706) – Paul’s Steepl
作者不詳:セント・ポール大聖堂の尖塔によるディヴィジョン

Marin Marais (1656-1728) : Musette I & II
マレ:ミュゼット

Robert Carr (17c) : The Division Flute (1706) – Divisions on an Italian Ground
カー:イタリアン・グラウンドによるディヴィジョン

佐藤豊彦 (1943 – ) :「風鈴」/Pelerinage Au Rollantより「戦闘はいみじくも-インテルメッツォ」
*使用音源 Works of Toyohiko Satoh <Alba Musica Kyo>
Robert De Visée: (1650-1725) : Mascarade Rondeau
ド・ヴィゼ:マスカレード(ロンド)

Turlough O’Carolan (1670-1738) : Jigg to the above
オ・カロラン:天へのジグ

Francois Couperin (1668-1733) : Sarabande, grave et tendre
クープラン:サラバンド

Andrea Falconieri (1585/86-1656): Folia
ファルコニエッリ:フォリア

Jean-Baptiste Lully (1632-1687) : Marche Pour La Cérémonie Des Turcs
リュリ:トルコ人の儀式のための行進曲
★この曲大好きです(0:40頃から始まります)。昔の指揮棒も気持ち良さそう↓

Marin Marais (1656-1728) : Sonnerie De Ste. Geneviève Du Mont-De-Paris
マレ:聖ジュヌヴィエーヴ寺院の鐘

Antoine Forqueray(1671?-1745): Jupiter
フォルクレ:ジュピター

(編)

 

2 Responses to 沢則行『OKHOTSK オホーツク -終わりの楽園』

  1. ふせくみ より:

    2日間も来てくださって、そして、密かにナマが増えていることに気づいてくださってありがとうございます!T^T

  2. norisawa より:

    Thank you very much for your coming to our show..even 2 times!
    And thank you also for your nice article!
    Looking forward to seeing you soon again in any theatre;
    2 and 3.5 in Yamabiko-za – Aynu’s story.
    6.5 in Takikawa Hall – my solo show, MACBETH.
    À bientôt!

ふせくみ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA