舞台遠出2日目は、『十九歳のジェイコブ』を新国立劇場で。
芥川賞作家・中上健次が1986年に発表した『十九歳のジェイコブ』を、「サンプル」の松井周さんが初の戯曲化。
演出は、「維新派」の松本雄吉さん。
劇中、結構な音量で流れるジャズを監修しているのは菊地成孔さんです。
「19歳の青年ジェイコブを中心に、若者特有の潔癖さと虚無感が交錯する息苦しいまでの緊張が描かれる本作。セックスとドラッグに溺れジャズで身体を満たすジェイコブと、ヘンデルを聴きバクーニンの言葉に浸るユキ、二人それぞれの想いと過去が、やがて破壊的な衝動を抱いて・・・・・・。」(新国立劇場HPより)
「若者特有の潔癖さと虚無感が交錯する息苦しいまでの緊張」というのが、どうなのだろう、小説が発表された当時には共有できたのかもしれないけれど、
自分にとってはあまりピンとこない空気ではありました。(自分は呑気な若者だったし…)
それよりも、見ていて、作品が疾走していく感じ、
小説を読んでいるときに、頭の奥が熱くなってせき立てられるようにページをめくっていくときの、あの感覚に近いものを味わえたことが新鮮で。
舞台作品だけど、自分の中で勝手にイメージが編集される感じと言いますか。流れるジャズ効果もあったのかもしれないな。
思わず「うーん」とうなってしまう、クールな作品。原作も読んでみたい。
ちなみに、今回初めて「Z席」なるものを購入。2階席のはじで、ちょっと見きれる部分はあるのだけど、1,620円(当日のみ販売・10席)というお得価格。
なのですが、作品世界にどっぷり浸るならやっぱり普通の席がいいな、と思った次第です。(当たり前ですが)
維新派は、10月の大阪公演も楽しみだな。これは絶対見に行きたい!
(編)
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