読んだ本について、しばーらくきちんと書けていない…のですが、忘備録的にささっと以下に。

まずはモアメド・ムブガル・サール『人類の深奥に秘められた記憶』。

6〜7月にかけて読んでいた一冊であります。なかなか映画も観れておらず(配信では見る気にならず、映画館にもめっきり足を運べていない)、演劇はさらに観れておらず、物語に触れたくなって久々に読んだ小説が思いのほか良く

小説以外の読書は毎日数ページみたいな細切れ読書が多かったのですが、小説はまとまった時間読まさるので、1日の終わりに没頭できてとても良い。

同作者の『純粋な人間たち』も読みたいな。

お次は分断八〇年』。

こちらは昨年11月から読み始めて、何度か中断しながらやっとこさ読了。

冒頭、尹錫悦による非常戒厳が宣布されてから解除されるまで、当時のニュース記事からはわからなかった現場で起きていたことが書かれていて、例えば軍を前にした秘書官の緊迫と同時に起こる「心拍数が上がりスマートウォッチから警告音が鳴った」という記述とか、読んでて泣き笑いでした。

朝鮮戦争パートでは、大韓民国歴史博物館で見た戦線の移動を表した映像展示や、朴婉緒『あんなにあった酸葉をだれがみんな食べたのか/〜』で描かれた「支配が一晩でひっくり返る」恐ろしさなど、自分の中で蓄積されてきたピースを合わせるような感じで。

本書では朝鮮戦争以降の現代に至るまでの変遷を詳しく知ることができ、自分の中で断片的だった出来事を、ひとつながりの歴史かつ現在進行形の問題として把握できたのでした。

著者のニュースレターにも長く登録しており、継続して信頼できる情報と考察を得られることのありがたみも感じております。(気になった方はぜひこちらからチェックしてみてください。)

そして7月はもう一冊。柳美里『JR上野駅公園口』を。

この時期に柳美里さんがひどいヘイトスピーチをツイッタ上で受けていて、彼女が一番勇気づけられることは何だろう?と考え、作家はやはり著書が買われて読まれることが一番なのではと購入した次第。

そして、これまで「出稼ぎ」と一言で片付けてきたことの、自分に見えていなかった無数の一人一人の人生に思いが至るきっかけとなった読書体験になりました。

家族のために家族と離れて労働に明け暮れる人生と、それを強いる(そうせざるを得ない)社会構造の残酷さ。今も世界中にあるこの構造を変えることなんてできないだろうけど、一人一人の人生については意識的でありたいし、誰もが意識的であってほしいと願うばかりです。

最後に8月(というかここ数日)に読んだ、米澤穂信『黒牢城』。

少し前に父から「面白いよ」と読み終えたのをもらって、しばらく積まれていたのだけど、ちょうど映画が公開されていたので

キャストの顔を思い浮かべながら読みました。面白かったな〜。

(映画には映画の良さがあると思うけど、地下牢も官兵衛も原作の描写に比べてきれいすぎて、自分的にはちょっと違う感…)

しかし『首』を観たときにも思ったけど、戦国時代の武士のメンタリティーというか、凄まじいですね…。というか、リンク先のブログに『首』の予告編を貼っていたので見てみたら、『首』に出てくる荒木村重は『黒牢城』主人公の荒木村重とはずいぶん印象が違う!

舞台が舞台だけに、いろんな人が物語化してきただろうから、また何かひとつ違うものも観るなり読むなりしてみたいな。

(編)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA