買った本を最後まで読み切るってことがなかなかなくなって久しく(借りた本は期限があるから読み切ることができる)、読みかけの本が積読状態になっている近年ですが、最近2冊読み終えました。

1冊目はブランドン・テイラー『その輝きを僕は知らない』

※本書の原題「リアルライフ(本物の人生)」というワードに込められた著者の想い、白人の割合が多いアメリカ中西部独特のマイノリティの生きづらさ、そしてクィアの生きづらさを著者がどう描いているかについての、早稲田大学教授(アメリカ文学)佐久間由梨さんによる解説はこちらをどうぞ

アフリカ系アメリカ人でクィアでもある主人公ウォレスが、性暴力や貧困、差別から逃れるように進学した中西部の名門大学院で日々遭遇する、マイクロアグレッションの数々。

白人の同級生と親密な関係になりかけながらも、相手を信じて愛情を表現することのリスクが先に立ち、素直になれない痛み。

そして、白人から自分に対して差別発言がなされたとき、恋人(白人)が自分を守って抗議することよりも周囲の白人を気遣うことを選択し、傍観と沈黙でやりすごそうとしたこと。

物事を難しくしてしまう要素の多さに、読んでて胸が痛かった…。とはいえ、最後はある種のシンプルさをウォレス自身が見出したところで終わるのですが。

2冊目はクレア・キーガン『ほんのささやかなこと』

※早川書房の紹介記事はこちら

決心するくだり、良かったなあ。キリアン・マーフィーが主演で映画化もされたようで、日本でも公開されるといいなーと思いつつ。

ブログを書いて気づいたけれど、どちらも早川書房でした。ちなみにどちらもSeesaw Booksで買いました。

年末年始は、積読になってる本の中からもう1冊、小説をきちんと読み切りたいな。

(編)

 

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