前回に引き続き、読んだ本と、見たもの、読んでる本。
10/26(月):北朝鮮内部からの通信『リムジンガン』
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北朝鮮のことを知っていくのに、とても良い一冊。
例えば、有力者一人が粛清された後の、仕事で関係のあった人から親戚、縁者に至る何千人もの人が処刑されたり追放されたり、という連座制のエグさとか…。
国民すべてに課せられた義務である毎週の反省会(生活総和と言うそうです)と、その形骸化とか。給料が払われない職場に通って、その合間に生活のために副業するとか。農民は北朝鮮では最も辛い悲惨な職業で、親が農民なら自動的に子どもも農民になる以外の選択肢はない、とか。国営の交通手段は全くあてにならない(国営バスはあまりのぎゅうぎゅう詰めで窒息死する人も出ると言う話がすごい)ので、民間交通が増えてきているとか。
なんか、日本人が書いた北朝鮮ルポの類は、色眼鏡が入ってそうで食指が動かないのだけど、リムジンガンは何と言っても北朝鮮の人々が自ら取材しているものなので、断然おすすめ。2015年にこの第7号が出ていて、一応最新刊なのだけど、8号はいつ出るのかなー。
10/27(火):キム・ジウン監督『密偵』@アマプラ

日本統治時代の1920年代を背景に、武装独立運動団体「義烈団」と日本警察との攻防を描いた作品。どの立場のスパイにも事情と考えがあって、それは反論のしようがないもので。占領ってのはそういう状況をつくりだす、本当にひどいものだなあ。三・一独立運動を扱った映画も見てみたいところであります。
10/28(水):範宙遊泳のむこう側の演劇、第二弾〈シリーズ旅の旅〉の#1 『無音の旅』

8分弱の作品で、面白いのでぜひ。「シュコー」が気持ちよいです。(最後も妙にグッとくる。)
続いて、OrganWorks LIVE配信「Spread on Air 」#3

↑アーカイブが残ってました。良い余韻の残る30分で、せっかくなのでストアから投げ銭も。次回は11/18(水)?かな。次もアーカイブじゃなくてライブ配信を見たいな。
11/29(木):読書日。チェ・ウニョンの短編集『ショウコの微笑』を読んでます。
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これも、韓国の現代史とリンクしながら個人の話が語られる感じで、すごく良い読書体験。
「オンニ、私の小さな、スネオンニ」は、読みながら映画『1987、ある闘いの真実』を思い出してしまった。
この本の版元である「クオン」という出版社は、「新しい韓国の文学」というシリーズで他にも興味深い本を多数出版していまして。特に、光州事件を扱ったハン・ガン『少年が来る』は、次に読んでみたい。
(編)

 

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