前回からの続きで
10/2(金):The Apple Family: Life on Zoom『Incidental Moments of the Day』

NYの非営利劇場「The Public Theater」のデジタルシリーズ。11/5までの公開です。
Richard Nelsonが作・演出を手掛ける「The Apple Family」シリーズは、2010年にパブリックシアターで1作目が上演。以降、2013年まで毎年1作を上演していて、今回のロックダウンを機にZoomで発表した3作目がこちら。
Zoomの1作目は4月に公開されて、ロックダウン下で同じ街に住んでいながら集うことができない家族の孤独や、それでもつながろうとする気持ちが、なんてことない会話からじんわり伝わってきつつ、何と言ってもそのリアルタイム感が印象的で。
7月初旬に公開された2作目は見逃したのだけど、BLMムーヴメントが盛り上がる中、小さな町に暮らす中流階級の、中年の白人である彼らの、BLMに対する距離感というか、その辺が現れた内容だったようで。
3作目の本作では、「(BLMに対して)もしかしたら自分は差別心があるかもしれない」と自覚した同僚の話や、少数派の話を誰が物語るかという話、そして長女が言う「自分たちの世界が、どんどん線引きされて、分割されて、超えてはならないものとして小さくなっていく」という話。が語られ。
Zoomなどのオンライン上での会話って、「ただ、人がそこにいるだけで成立する」存在感による無言のコミュニケーションみたいなものが剥ぎ取られているから、余白を余白として体感できない気がしていて、それがこのアップルファミリーにもじわじわ影響してきているんじゃないかなーということも思えたりする3作目でした。
それにしても「The Public Theater」。トップページにはドドンと以下の写真。

画像引用元 https://publictheater.org/

画像引用元 https://publictheater.org/


大統領選を控え「CREATIVE ACTIVISM: A DAY OF ART, IDEAS, AND ACTION」というフォーラムを開催していたり(アーカイブ動画が残ってるので、後日のぞいてみたい)、本当に今回のコロナ禍での世界の劇場からの配信を機に、自分の中での演劇や劇場の役割みたいなものが格段にアップデートされた感。
Public Theater、サイトも見やすくて、かつポップなので、ぜひのぞいてみてください。
10/3(土):札幌で1件、白老で2件、取材日。22時頃の帰宅で疲れたけど、楽しかったな。
10/4(日):ヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』

帰国事業で北朝鮮に渡った兄が、病気治療のために一時帰国する話。監督の実体験を元に描かれていて、このインタビューが面白かったです。本作の前に制作しているドキュメンタリー2本(『ディア・ピョンヤン』、『愛しきソナ』)も見てみたいなあ。
10/5(月):めっちゃTo Doをこなして疲弊したので、ご褒美がわりに文化財ヒョンビンの出演作を。

満足…。今日は藤岡弘の解説で俄然見たくなった『コンフィデンシャル/共助』を見る予定っす。うふ。
10/6(火):『ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け』@Netflix

バラク&ミシェル・オバマが設立した製作会社Higher Ground ProductionがNetflixと提携して製作したドキュメンタリーで、全編もYoutubeで公開されてました。良いね!
(ちなみに字幕は29カ国語、音声解説は15カ国語、視覚聴覚障害者用のスクリプトもあるそうです。)
とても印象的だったのは、脳性麻痺の女性が発言するときに、じっと彼女の声に耳を傾けるキャンプ参加者の態度で。
私には(その場にいた人にも)何を言っているかはやっぱりわからなかったけれど、でも、彼女が言い終わった後に「今彼女が言ったことを理解できた人はいるかな?」って周りに聞いて、一人が「僕は、多分こういうことを言っていたと思う」と述べるんですね。それに対して彼女が頷いていて。
この態度は本当に見習いたい…
あと「障害を持つアメリカ人法」の成立を求めて、保健教育福祉省オフィスの1フロアを占拠した障害者を、ブラック・パンサーや女性解放運動などのコミュニティーが支援したところも、へーと。
Higher Ground Productionが製作した作品を見るのは、『アメリカン・ファクトリー』に続いて2作目です。
良い。
(編)

 

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